ガス給湯器が故障する前に知っておきたい!よくある不具合と修理か交換の判断
「ガス給湯器が故障したら、何が起きるのだろう?」と、気になることがありますよね。
ガス給湯器が故障すると、突然お湯が出なくなったり、お湯の出が悪くなったり、異臭・異音がしたり、水漏れしたりします。
特に、取付けから10年以上経っている(=標準的な耐用年数を過ぎている)機器は、いつ壊れても不思議ではないため、注意が必要です。
今回の記事では、
- ガス給湯器が故障した時に起こりやすい不具合
- ガス給湯器が故障した場合に修理するのがいいか・交換するのがいいか
- ガス給湯器の故障をなるべく防ぐためにできること
について、『東急でんき&ガス サポート』が紹介していきます。
ガス給湯器が故障した時に起こりやすい7つの不具合
- 蛇口を開いても全くお湯が出ない
- 追焚きができない
- お湯の出が悪い(湯量が少ない)
- 煙が発生する
- 変なニオイがする
- 変な音がする
- 水が漏れる
まずは、ガス給湯器が故障した際によく起こる、7つの不具合を解説します。
それぞれの不具合について、以下で詳しく解説していきます。
なお、故障した給湯器が「修理できるのか?」、それとも「交換しないといけないのか?」をどう判断するのかについては、後述します。
【1】蛇口を開いても全くお湯が出ない
ガス給湯器が故障すると、蛇口(給湯栓)を開いてもお湯が出なくなることがあります。
ただブレーカーが入っていないケース・電源が入っていないケースも考えられるため、まずは、家(分電盤)のブレーカーや、機器の電源コンセントが外れていないことを確認しましょう。
上記の確認を行って、問題がなかったにもかかわらず、お湯が出ない場合には、やはり給湯器の故障が疑われます。
専門業者に給湯器の点検を依頼し、修理・交換を検討しましょう。
なお、お湯が出ない不具合は、取付けから年数が経っていない機器でも発生しやすいため、注意が必要です。
<関連コラム>
⇒ 【お湯が出ない】原因の調べ方・対処法は!給湯器は「交換」と「修理」どちらにするべき?
【2】追焚きができない
ガス給湯器が故障すると、追焚きができなくなることがあります。
循環口のフィルターが詰まることによっても、追焚きができなくなることがあるため、まずはフィルターの掃除を行ってみましょう。
循環口のフィルターは、浴槽の中にあるフィルターです。
ゴム手袋と歯ブラシを用意して、循環口のフィルターを「はずす」の方向へ止まるまで回し、フィルターを取外します。
そして、循環口本体とフィルター本体のゴミを、歯ブラシでこすって取除きます。
フィルターを元に戻したら、掃除は完了です。
フィルターの掃除を行っても追焚きができない場合、やはり給湯器の故障が疑われますので、給湯器の修理・交換が必要です。
専門業者に給湯器の点検を依頼し、修理・交換を検討しましょう。
【3】お湯の出が悪い(湯量が少ない)
ガス給湯器が故障すると、お湯の出が悪くなることがあります。
給湯器の水抜き栓のフィルターが詰まっていることでも、お湯の出が悪くなる場合やお湯にならない場合があります。
まずは水抜き栓のフィルターの掃除を行ってみましょう。
給湯器のフィルターは、給湯器の水抜き栓の中にあります。
フィルターの掃除は、以下の手順で行います。
- 給水元栓を閉める
- 水抜き栓をゆるめて機内の水を排出する
- フィルターを外し、ゴミを洗い流す
- 各部品を元通り組付ける
フィルターを水抜き栓の中に差し込む際は、突起部が水抜き栓の内部壁面にあるへこみ部に合うようにしましょう。
突起部がへこみ部に入り込まないと、フィルターが水抜き栓の中に完全に入らず、水漏れの原因となります。
フィルターの掃除を行い、電源の入れ直しを行ったうえでも、まだお湯の出が悪い場合は、やはり給湯器の故障が考えられます。
専門業者に給湯器の点検を依頼し、修理・交換を検討しましょう。
【4】煙が発生する
ガス給湯器が故障すると、給湯器から煙が発生することがあります。
煙といっても、「白い煙」が出ている場合、これは排気ガス中の水蒸気による湯気ですので、故障ではありません。
真冬など、外気温が低い季節によく見られる現象です。
ただ「白い煙」であっても出続けている場合や、異臭を伴っている場合は、給湯器に不具合が起きている可能性があるため、一度専門業者に見てもらうことをオススメします。
注意が必要なのは、給湯器から「黒い煙」が出ている場合です。
給湯器から「黒い煙」が出ている場合、給湯器が不完全燃焼を起こしている可能性があるため、安全のためにすぐ給湯器の使用を中止してください。
そして、給湯器の修理や交換が必要になるため、専門業者を呼びましょう。
【5】変なニオイがする
ガス給湯器が故障すると、給湯器から異臭が発生することがあります。
給湯器からガスっぽいニオイがする場合、状況によってはすぐに対処する必要があります。
新設した給湯器の排気口からの異臭は、組立て時に使用した機械油の燃焼が原因であることが多く、この場合は故障ではありません。
しかし、ニオイが長く続く場合は、安全のために給湯器の点検を依頼しましょう。
“常に”ガスのニオイがする場合は、機器内あるいはパイプ接続部で、ガス漏れが起きている可能性があるため、すみやかに専門業者に連絡し、給湯器を点検してもらいましょう。
【6】変な音がする
ガス給湯器が故障すると、給湯器から異音がすることがあります。
音といっても、運転後のファンの音(ブーン)、モーターの作動音(ブオーン)は、機器の正常な作動音ですので、故障ではありません。
上記の音は、通常3~5分で停止します。
また、ポンプの回転音(ウーン)も、凍結予防や予約時刻前の残り湯点検のために発生するもので、こちらも故障ではありません。
一方、上記以外の以下のような異音は、給湯器の故障を疑うべきものとなります。
たとえば、ホラ貝のような音(ボー)や、笛のような音(ピー)がする場合は、空気とガスのバランス崩れや、ファンモーターの不具合が発生している可能性があります。
また、給湯器から小さな爆発音(ボン!)がする場合は、不完全燃焼や熱交換器の詰まりなどが起こっている可能性があります。
安全のために給湯器の使用を中止し、なるべく早く専門業者に給湯器の点検を依頼し、修理・交換を検討しましょう。
【7】水が漏れる
ガス給湯器が故障すると、給湯器から水漏れする場合があります。
給湯器の水漏れには、いくつかの原因が考えられます。
- 給湯器が経年劣化している
- 給湯器が凍結している
- 施工不良・初期不良
給湯器を10年以上使っている場合には、給湯器の経年劣化を疑ってみましょう。
パッキンのゴムやナットの緩みなど、配管のつなぎ目の劣化が考えられます。
また、冬場に多いのが「配管内の水の凍結」です。
水が氷になると膨張して配管の破裂を招き、氷が溶けた時に、その破裂箇所から水漏れを起こしてしまいます。
経年劣化にしても凍結にしても、何らかの対応が必要なので、まずは専門業者に点検を依頼しましょう。
なお、給湯器を取付けたばかりなのに水漏れする場合は、施工不良か初期不良の可能性があるため、給湯器を取付けてもらった業者に連絡しましょう。
修理で対応できる故障・本体ごと交換するほうがいい故障
給湯器が故障していることが分かった場合に悩むのは、「修理で済む故障なのか?それとも本体を交換する(買換えする)ほうがいい故障なのか?」という点です。
結論から述べると、経年劣化が進んでいる(取付けから10年以上経っている)給湯器は、修理用の部品がある場合でも修理金額が高額になりやすく、一旦直ったとしても今後の故障リスクが高いため、交換するほうが安心です。
たとえば、給湯器の水漏れは経年劣化が原因であることが多いため、対処方法としては、給湯器の交換を選ぶ可能性が高いです。
逆に、リモコンの電源が入らない不具合では、配線の調整だけで修理が済むことがあり、安価なので、経年劣化が進んでいない限り、無理に給湯器を交換する必要はありません。
いずれにせよ、給湯器の交換を検討している場合は、専門業者に「修理」と「交換」両方の見積もりを依頼するとよいでしょう。
「修理」の金額と「交換」の金額に大きな差がなければ、「交換」を選ぶことをオススメします。
<関連コラム>
⇒ ガス給湯器の修理が交換よりも適しているケースは?修理にかかる費用・時間も解説
ガス給湯器の故障をなるべく防ぐためにできること
ガス給湯器を安全に長く使うためには、専門業者による定期的な点検(2~3年に1度)を受けることをオススメします。
給湯器の汚れを清掃してもらい、不具合に早く気付いてもらうことで、大きな故障に繋がりにくくなります。
また、給湯器の取扱説明書に日常のお手入れ方法について記載があるので、自身でできる日頃のお手入れとして参考にしてみてください。
その他、
- 長期間、給湯器を使用しない場合は「水抜き」をしておく
- 凍結予防対策(水抜きをするか、少量の水を出し続ける)をしておく
ことも、ガス給湯器の故障を防ぐために有効です。
まとめ
以上、ガス給湯器の故障の症状、修理をするか交換するかの判断、ガス給湯器の故障をなるべく防ぐためにできることについて、解説しました。
ガス給湯器は突然使えなくなることも多いため、定期的に専門業者による点検を受け、状態を確認することをおすすめします。
当社『東急でんき&ガス サポート』では、ガス給湯器をはじめとするガス機器の点検・修理・交換を受付けております。
お使いのガス給湯器に気になるところがあれば、お気軽にお問合せください。