エネファームとエコキュートの違いは?コストや補助金まで比較

光熱費や省エネ性能を重視して給湯器を選ぶとき、「エネファーム」と「エコキュート」で迷う方は多いでしょう。どちらも環境負荷を抑えつつ快適な暮らしを支える設備ですが、仕組みやコスト、設置条件に違いがあります。
さらに補助金制度や長期的なランニングコストにも差があるため、選択には情報整理が欠かせません。この記事では、それぞれの特徴や費用、補助金の内容まで詳しく比較します。
エネファームとは

エネファームは、都市ガスやLPガスを燃料に、電気とお湯を同時に作る家庭用燃料電池コージェネレーションシステムです。一般的なガス給湯器とは異なり、ガスによって発電を行い、その排熱でお湯を沸かします。
給湯だけでなく、照明や冷蔵庫などご家庭の基本的な電力をまかなえる点が大きな特徴です。また、停電時でも電力供給が可能なため、災害時に強いというメリットもあります。
エネファームには燃料電池ユニットと貯湯タンクが備わっており、貯湯タンク容量は25L 、100L 、130L 、370L などのタイプがあります。
エコキュートとは

エコキュートは、電気をエネルギー源とし、ヒートポンプ技術によって空気の熱を取り込んでお湯を沸かす給湯器です。正式名称は「自然媒体ヒートポンプ給湯機 」といいます。
電気温水器のように電気で直接加熱するのではなく、外気の熱を活用するため、少ない電力で効率良くお湯を沸かせることが特徴です。具体的には、電気エネルギー1に対し給湯エネルギーは3と、効率良くお湯を沸かします。
また、エコキュートは、おもに電気料金が安い夜間にお湯を沸かすため、時間帯別の電力契約との相性が良く、電気代の節約が可能です 。貯湯タンク容量は370L〜460Lが主流で、3〜6人家族の使用を想定したモデルが多く普及しています。
エネファームとエコキュートの違い

エネファームとエコキュートは、どちらも家庭用の給湯システムですが、仕組みやコスト、設置条件などに違いがあります。太陽光発電との相性なども含め、おもな相違点を確認することで、それぞれの違いについて理解を深めていきましょう。
仕組み
エコキュートは電気(おもに深夜電力)で稼働し、空気中の熱を利用してお湯を沸かす仕組みです。対してエネファームは都市ガスやLPガスを燃料に発電し、その排熱でお湯を沸かします。エコキュートが給湯専用なのに対し、エネファームは発電と給湯を同時 に行えます。
電気で動くエコキュートはCO₂排出量が少なく環境負荷も低めです。一方、ガスを使うエネファームも発電効率が高く、エネルギー活用に優れます。また、停電時において、エコキュートは貯湯タンク内にお湯があれば生活用水として使用可能です。エネファームは条件により発電・給湯の両方が可能で、お湯の使用だけでなく一部の家電を使用できる場合もあります。
コスト
導入コストとランニングコストの2つを考える必要があります。まず導入コストは、エコキュートのほうが安価です。一般的に30〜50万円程度で設置できる のに対し、エネファームは150〜200万円 ほどが相場です。
ただし、月々の光熱費を比較すると、エネファームのほうが安くなるケースもあります 。エコキュートは夜間電力を使って電気代を抑える一方、エネファームは自家発電によって電力そのものを削減できます。 初期費用とランニングコストの両面を見て、長期的なコストパフォーマンスで判断することが大切です。
設置に必要なスペース
エコキュートではおもに屋外に貯湯タンクとヒートポンプユニットを 、エネファームでは貯湯タンクと燃料電池ユニットの設置 が必要です。その設置スペースに加え、ともにメンテナンス時のスペースも確保しなければなりません。 そのためどちらも大きなスペースを必要とします。
どちらが特にスペースを抑えて設置できるとは言い切れませんが、 機種によっては省スペースタイプのモデル もあるため、少しでも使用するスペースを抑えたい場合はそういったタイプの機種を選ぶとよいでしょう。
お湯切れのリスク
エコキュートは、沸かしたお湯を貯湯タンクに貯めておく方式で、使い切るとお湯切れになるリスクがあります。再加熱には1時間ほど必要で、1時間で約40℃のお湯を約100L使用できるようになります。ただし、自動湯沸かし機能がついているタイプであればお湯切れ前に自動で対応可能です。
対してエネファームは、バックアップ給湯器を標準装備しています。お湯が足りなくなった場合はバックアップ給湯器が自動的に作動するため、お湯切れの心配はありません。
太陽光発電との相性
エコキュートは、太陽光発電との相性が良好です。日中に発電した余剰電力を活用してお湯を沸かすことで、深夜電力に頼らず効率的な運用が叶います。
エネファームも太陽光発電との連携は可能です。エコキュートほど親和性はありませんが、太陽光発電の売電量が増えることで 光熱費の節約にも一役買うでしょう。
ただし、エネファームと太陽光発電の両方を同時に導入すると初期費用が高額になるため、費用対効果の見極めも重要です。
床暖房との相性
エコキュートは、一部のモデルで床暖房に対応しています。夜間電力を使って効率良くお湯を沸かして部屋全体を暖め、経済的な暖房が可能です。
一方、エネファームは、発電時に発生する余熱をそのまま床暖房に利用できる点が 大きな特徴です。エネルギーの無駄を抑えながら、暖房機能も兼ね備えるため、光熱費削減にもつながります。
いずれの設備も、床暖房との併用で快適性と省エネ性を両立させられます。ただし、床暖房の効果を発揮するためには配管設計や断熱対策が不可欠です。導入の際は、専門業者に相談しながら進めることをおすすめします。
エネファームが向いているご家庭の特徴

エネファームは、電気とお湯を同時に作れるのが大きな特徴です。自家発電を行えるため、電気代を抑えたいと考えるご家庭に適しています 。また、バックアップ機能を備えており、湯切れの心配が少ないことから、家族の人数が多くお湯の使用量が多いご家庭にも向いているでしょう。
床暖房やガスファンヒーターなど、ガスを使った暖房器具をすでに導入している場合も相性が良好です。発電時に出る熱エネルギーを無駄なく暖房に活用するため、省エネ性能を重視する方にも選ばれています。災害対策としての役割も見逃せません。停電時でもガスによる自家発電によって最低限の電力とお湯を確保できるため、防災意識の高いご家庭にとっては安心材料になります。
エコキュートが向いているご家庭の特徴

エコキュートは、オール電化との相性が良い設備です。光熱費を一本化 し、電気だけで生活をまかなえるようにしたい方や、すでにオール電化を導入しているご家庭に適しています。特に、夜間の電気料金が安いプランを利用しているご家庭では、給湯にかかるコストを大幅に削減できます。
また、ガスを使わないシステムのため、火災リスクが低い点も安心材料 です。小さなお子様や高齢の家族がいるご家庭では、安全性を重視してエコキュートを選ぶのもよいでしょう。さらに、貯湯タンク内に貯めたお湯は非常時の生活用水として活用できるため、断水や停電 など災害時の備えとしても役立ちます 。
初期費用が比較的安い点も魅力です。導入コストを抑えたい方には有効な選択肢となります。太陽光発電や蓄電池と組み合わせて運用すれば、さらなる省エネも期待できます 。
エネファームとエコキュートの補助金・助成金について

エネファームとエコキュートは、どちらも経済産業省が実施する「給湯省エネ2025事業」 の対象です。「給湯省エネ2025事業」では、エコキュートに6万円 、エネファームに16万円 の基本額が設定されています。さらに、一定の条件を満たすことで、エコキュートは最大15万円、エネファームは最大12万円の加算を受けることも可能です 。
この制度に加えて、自治体が独自に補助金や助成金を出している場合 もあります。国と地方の支援を併用すれば、導入時の強い味方となるでしょう。
ただし、すべての機種が対象となるわけではなく、メーカーやモデルによって補助の対象外となるケースもあります 。製品を選ぶ際には性能や価格だけでなく、補助制度の対象かどうかも併せて確認することが大切です。
出典:経済産業省 資源エネルギー庁「給湯省エネ2025事業 事業概要」
エネファームとエコキュート以外のエコな給湯器

近年ではエコキュートやエネファーム以外にも、優れた省エネ性能を持つ給湯器が登場しています。
ここでは、代表的な製品である「エコワン」と「エコジョーズ」について簡単にご紹介します。
エコワン(ハイブリッド給湯器)
ハイブリッド給湯器は、電気とガスの利点を組み合わせたシステムです。代表的な製品の一つが、リンナイの「エコワン」 です。
エコキュートと同様に効率的な給湯を実現していますが、エネルギー源にガスも利用している点が異なります。具体的には、貯湯タンク内のお湯がなくなってもガスによって時間をかけずに給湯ができるため 、安定したお湯の供給が期待できます。
導入費用はエコキュートよりやや高くなる傾向にあります が、設置スペースがコンパクトなため、狭い場所でも設置しやすい点がメリットです。
エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)
エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)は、従来のガス給湯器よりもより効率的な給湯を実現できます。その大きな特徴は、潜熱回収機能によって排気熱を再利用してお湯を生成する点です。
エコキュートに比べ導入コストが低い傾向 にあり、既存のガス配管をそのまま活用できる こともメリットです。
また、ほかの給湯設備に比べて設置スペースが少なく済むため、マンションのベランダなどの狭い場所でも設置できる場合が多いです。ただし、設置には排水経路の確保が必要になることが注意点です。
ご家庭に合った給湯器を選びましょう
エネファームとエコキュートはいずれも省エネ性能に優れますが、仕組みや機能が異なるため、ご家庭に合うか見極めることが大切です。
エコキュートはオール電化住宅と相性が良く、電気代を抑えCO₂削減に貢献します が、設置スペースの確保や湯切れする点などに注意が必要です。一方、エネファームは自家発電機能を備え、停電時でも電気と給湯を確保できるのが魅力です。ただし導入費用が高く、エコキュート同様設置場所の確保が必要であることも考慮する必要があります。
給湯設備を選ぶ際は、費用やランニングコストに加え、非常時の備えや環境配慮など優先事項を整理しましょう。補助金や自治体の補助金制度なども踏まえ、事前に情報収集と要件確認をしておくと安心です。導入や交換で迷う方は、東急でんき&ガスサポートへご相談ください。

