エコキュートのメンテナンスは自分でできる?メンテナンスの頻度・やり方を解説

エコキュートには定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると、お湯が汚れたりエコキュートの寿命が短くなってしまいます。エコキュートを長く快適に使うためにも、適切なメンテナンスの内容を知っておきましょう。
今回はエコキュートの仕組みやメンテナンスが必要な理由を解説したうえで、必要なメンテナンスの内容を頻度別に紹介します。エコキュートを使い始めたばかりの方や、エコキュートを買い替えた方はぜひ参考にしてください。
エコキュートの仕組み

エコキュート(自然冷媒ヒートポンプ給湯機)は、ヒートポンプ技術により大気中の熱を取り込み、お湯を沸かす機械です。少量の電力でお湯を沸かせるため環境や家計に優しく、新しい住宅での使用率が高くなっています。
エコキュートは水を温めて沸かす「ヒートポンプユニット」と、お湯を溜めておく「貯湯ユニット」で構成されます。エコキュートがお湯を沸かす仕組みは以下のとおりです。
【エコキュートがお湯を沸かす仕組み】
- 外気をヒートポンプユニットに取り込む
- 外気の熱を低温の冷媒(二酸化炭素)に吸収し、コンプレッサーで圧縮して高温にする
- 高温になった冷媒でタンク内の水を温める
- 沸かしたお湯を貯湯ユニットに溜める
- 冷媒を膨張させて低温に戻す
エコキュートに定期的なメンテナンスが必要な理由

エコキュートが故障した場合、すぐに代わりの機器を設置できるとは限りません。エコキュートが動作しなければお湯も使えなくなってしまいます。生活への影響を抑えるためにも、日頃からメンテナンスを欠かさず、不具合があればすぐに対処できるよう知識を身に付けておくことが大切です。
エコキュートのメンテナンスを定期的に実施しない場合、お湯が汚れて異臭がすることもあったり、給湯効率が落ちて電気代や水道代が高くなるほか、エコキュートの寿命が短くなるなどのトラブルが発生する可能性が高まります。
各トラブルの内容を簡単に見ていきましょう。
お湯が汚れる
エコキュートの貯湯タンクの内部には、常に水かお湯が溜められています。水で満たされていれば汚れにくいように思われるかもしれませんが、実際には長期間の使用により、タンク内に不純物が蓄積されてしまいます。
貯湯タンク内の掃除を怠り内部のゴミを放置すると、お湯にゴミが混ざったり、お湯から異臭がするかもしれません。特に、井戸水を使っている場合は不純物がよりたまりやすいため、メンテナンス頻度を上げる必要があります。
電気代や水道代が高くなる
メンテナンスを怠るとフィルターの目詰まりなどが原因で給湯効率が下がり、電気代や水道代が高くなります。電気代の安さはエコキュートの大きなメリットであるため、メンテナンス不足によりメリットが低減してしまうのは避けるべきでしょう。
また、配管の損傷や詰まりなどにより水漏れが発生し、水道代が余計に高くなるケースもあります。水漏れが発生したとしても、日常的にメンテナンスしていれば早期に異常を発見して対処できるでしょう。
エコキュートの寿命が短くなる
エコキュートの寿命は10~15年とされていますが、定期的にメンテナンスをしなければ寿命は短くなってしまいます。買い替え頻度が高くなれば経済的な負担が増え、電気代が抑えられるというエコキュートのメリットも低減してしまうでしょう。
定期的なメンテナンスはエコキュートの寿命の延長につながります。寿命いっぱいまで長く使い続けられるよう、定期的に点検し不具合は早期に解消させましょう。
なお、エコキュートの寿命については、こちらの記事も併せてご覧ください。
日常的にできるエコキュートのメンテナンス方法

ここからは、エコキュートのメンテナンス方法を頻度別に解説します。まずは、日常的に実施したいメンテナンスとして、「リモコンの点検」と「浴槽フィルターの掃除」の2つを解説します。
リモコンの点検
屋内に設置したリモコンでエコキュートの沸き上げ量や給湯温度を設定できます。リモコンの時刻がずれていると電気料金が安い深夜にお湯が作れない場合があるため、時刻にズレがないか確認しましょう。
また、エコキュートに不具合が発生した場合、リモコンにエラーが表示されます。エラーが出ていればエラーコードを確認して対応しましょう。
リモコンはお湯張りなどで頻繁に使用するため、使用のたびにチェックしておきましょう。
浴槽のフィルター掃除
エコキュートのお湯は、浴槽の内部にある浴槽フィルターを通り、浴槽にそそがれています。フィルターを掃除せず放置すると水垢がたまって目詰まりし、お湯が流れにくくなってしまいます。また、目詰まりがひどくなると追い焚きが正常に動作しなくなることもあります。
清潔なお湯を正常に浴槽にためるためにも、フィルターの掃除を欠かさないようにしましょう。フィルター掃除の手順は以下のとおりです。
【フィルター掃除の手順】
- フィルターを取り外す(各メーカーの取扱説明書を参照)
- スポンジや歯ブラシなどでフィルターの汚れを落とす
- 水洗いして汚れを流す
- フィルターを再び装着する
フィルター掃除は、少なくとも週に1回程度の頻度で行うことが推奨されています。
半年に1回は行いたいエコキュートのメンテナンス方法
続いて、おおよそ半年に1回行うべきメンテナンスを紹介します。記載したメンテナンスを定期的に行うと、エコキュートを長く快適に使い続けられます。
- 貯湯タンクの水抜き
- 給水口ストレーナーの掃除
- 配管の掃除
- 逃し弁の点検
- 漏電遮断器の点検
- 水漏れの点検
- エア抜き
ただし、ここで紹介するメンテナンスには高い専門性が求められるものもあります。自分でメンテナンスすると思わぬ故障につながる可能性もあるため、必要に応じて業者へ依頼してメンテナンスしてもらいましょう。
貯湯タンクの水抜き
エコキュートを使用し続けると、貯湯タンク内に水垢や不純物などが沈殿します。タンク内をきれいな状態に保たなければ、不衛生なお湯を使用することになるため、定期的に貯湯タンクの水を抜いて沈殿物を除去しましょう。水抜きの頻度の目安は、年に2~3回です。作業手順は、以下のとおりです。
【エコキュートの貯湯タンクの水抜き手順】
- 給水止水栓を閉める
- 漏電遮断器をオフにする
- 給湯タンクの点検口を開け、逃し弁レバーを上げて逃し弁を開け1分ほど待つ
- 排水栓を開けて1~2分ほど排水する
- 排水がきれいになったら排水栓を閉める
- 給水止水栓を開け、お湯が出ることを確認する
- お湯が出たら逃し弁のレバーを下げる
- 漏電遮断器をオンにする
- お風呂や台所でお湯が出ることを確認する
何度水抜きしても汚れた水が出てくる場合はタンク内部の清掃が必要です。貯湯タンク内の清掃は個人では行えないため、専門の業者へ依頼しましょう。
給水口ストレーナーの掃除
給水口ストレーナーは、貯湯タンクの給水配管接続口にあるフィルターです。ストレーナーにゴミがたまるとお湯の出が悪くなってしまうため、貯湯タンクの水抜きをする際に一緒に掃除しておくとよいでしょう。
先述の貯湯タンクユニットの水抜き手順の3まで行ったあと、給水口ストレーナーを外してブラシなどで掃除します。汚れがなくなったら給水口ストレーナーを装着し、水漏れなどがないかチェックしましょう。
給水口ストレーナーの掃除は半年に1回を目安に実施します。
配管の掃除
エコキュートと浴槽をつなぐ配管も汚れがたまりやすい場所です。エコキュートには配管の自動洗浄機能が搭載されていることが多く、すぐに汚れがたまりませんが、自動洗浄では取り切れない汚れが少しずつ蓄積されてしまいます。
配管は浴槽用の配管洗浄剤で掃除できます。洗浄剤に記載されている注意事項をよく読み、指示に従って洗浄しましょう。ただし、酸やアルカリを含んだ洗浄剤は配管を傷めるため、使用を避けるようにしましょう。
逃し弁の点検
逃し弁は貯湯タンクにある部品で、タンクの圧力を外に逃す役割があります。
逃し弁が故障すると、水漏れなどが発生するおそれがあります。逃し弁レバーを上げ、排水口から水が出るか、レバーを戻すと水が止まるかを確認しましょう。逃し弁の点検は年に2~3回実施します。
漏電遮断器の点検
漏電遮断器は漏電が発生した場合に電気を遮断する機能があります。漏電遮断器が故障してしまうと漏電の発生に気付けなくなってしまい、とても危険です。故障を放置していると、漏電による感電や火災につながりかねないため注意しましょう。
漏電遮断器の点検では、漏電遮断器の操作窓を開け、「ON」「OFF」がスムーズに動くか、テストボタンを押すと「OFF」になるかを確認します。年に2~3回の頻度で点検しましょう。
水漏れの点検
お湯が出なくなる、お湯がすぐ水に変わる、水道代・電気代が高くなるなどの症状が表れたら、水漏れが発生している可能性があります。水漏れの原因には、配管の経年劣化や寒冷地や塩害地域に未対応のものを使用しているなどが挙げられます。
配管の接続部などから水漏れが起きていないか、目視で定期的に確認しましょう。
エア抜き
通常、ヒートポンプユニット内の配管は水で満たされていますが、使っているうちに空気が混ざり、水の循環が悪くなってしまいます。水の循環が悪くなるとお湯が出なくなる場合もあるため、定期的にエア抜きをしましょう。
エアの抜きの頻度の目安は、1年に2回です。初めて設置するときや1ヵ月以上使わなかったとき、水を抜いたときもエア抜きをしましょう。
エア抜きの手順は以下のとおりです。
【エコキュートのエア抜き手順】
- すべてのヒートポンプユニットの水抜き栓を軽く開く
- 水が空気と出てきたら1分以上放置する
- 空気が出なくなり水だけになったら水抜き栓をすべて閉じる
なお、エア抜きは、ヒートポンプ内の汚れを排出する効果もあります。
その他のメンテナンス方法
最後に、不定期や特定の時期(冬の前など)にやるべきメンテナンスを解説します。使用状況に合わせて適宜メンテナンスしていきましょう。
凍結防止ヒーターの点検
外気温が0度以下になると配管が凍結する可能性があります。降雪地域だけでなく、暖かい地域でも朝晩の冷気で凍結する可能性があるため、凍結が予想される冬の時期がくる前に、凍結防止ヒーターの電源を入れて正常に動作するか確認しましょう。
ファンの掃除
エコキュートは、ファンで取り込んだ空気をお湯の沸き上げに利用しています。ファン周りがゴミなどでふさがっていると給湯効率が下がるため、特に風が強い日の翌日はゴミでファンがふさがっていないか確認しましょう。
雪の多い地域では定期的にファン周りの雪かきも必要です。積雪の時期になったら、確認頻度を上げましょう。
エコキュートを自分でメンテナンスする際の注意点

エコキュートのメンテナンスは自分で行うこともできますが、適切な方法を理解していないと思わぬトラブルにつながる可能性もあります。ここでは、自分でエコキュートをメンテナンスする場合の注意点を3つ解説します。
- 取扱説明書を確認する
- 電源を切ってから作業する
- やけどに注意する
取扱説明書を確認する
エコキュートは機種によってスイッチなどの位置やメンテナンスの手順が異なります。手順を誤ると機器が故障する可能性があるため、メンテナンスする前に取扱説明書で手順を確認しておくことが大事です。
また、メンテナンスによっては工具が必要な場合があります。必要なときに必要なメンテナンスを行えるよう、説明書を確認して工具などを用意しておきましょう。
電源を切ってから作業する
感電などを防ぐため、メンテナンスは電源を切ってから行います。また、機器内には熱をもった部分もあるため、電源を切ったあと十分に冷えてから作業を始めましょう。
さらに、作業は明るい時間帯に行ってください。周囲が暗い時間に作業すると、手もとが見えずに操作を誤る可能性が高まります。エコキュートの設置位置によっては日中でも作業箇所が暗い場合があるため、照明器具があると便利です。
作業が終わったら、すべての部品が正しい位置にあるか念入りにチェックしたうえで電源を入れましょう。
やけどに注意する
エコキュートの貯湯タンクには約60~95度のお湯が入っています。タンクの水抜きなどで排水する際は、熱湯が飛び出ることがあるため注意が必要です。
排水だけでなく、排水管や排水ホースにも触れないようにしましょう。また、作業前にお湯の設定温度を下げておくことも大切です。
メーカーが公開している作業解説動画なども参考にしながら、必要な手順を安全かつ正確に行いましょう。
業者に依頼するべきエコキュートのメンテナンス内容と費用相場
エコキュートのメンテナンスには専門の知識が求められるものもあります。すべてのメンテナンスを自分で行おうとすると、思わぬ事故につながってしまう可能性があるため、難しいメンテナンスは業者に依頼しましょう。
ここでは、業者に依頼すべきメンテナンス内容と費用相場を解説します。
業者に依頼するべきメンテナンス内容
以下の表は、メンテナンスの各項目を自分で行って良い作業と、安全性や専門性の観点から業者に依頼すべき作業に分けたものです。
| 項目 | 自分でメンテナンス可能 | 業者にメンテナンスを依頼 |
|---|---|---|
| フィルター清掃 | 〇 | – |
| タンクの排水 | 〇 | – |
| 本体の外側掃除 | 〇 | – |
| ヒートポンプ内部点検 | – | 〇 |
| エラー対応・電子部品交換 | – | 〇 |
| 配管の劣化・漏れ修理 | – | 〇 |
自分でメンテナンスする自信がない場合や時間がない場合は、業者に依頼するのがおすすめです。
また、エコキュートは3年に1回程度は専門業者による定期点検が推奨されています。点検を実施することで異常や故障を早期に発見できるため、メーカーが推奨する点検時期に点検を依頼しましょう。
専門業者によるメンテナンスの費用相場
専門業者によるメンテナンスの費用相場は1~3万円となっています。悪質な業者に高額なメンテナンス費用を請求された事例もあるため、信頼できる業者に依頼することが大切です。
万が一、悪質な業者とトラブルになってしまった場合は、クーリングオフ制度を利用するか消費生活センターに相談しましょう。
エコキュートを快適に使うには定期的なメンテナンスが大切!
エコキュートを長く使い続けるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。今回ご紹介した日常的なメンテナンス、半年に1回行うメンテナンス、不定期に行うメンテナンスを確実に実施するための準備が大事です。
メンテナンスの多くは自分でもできます。もし自分で行う場合は、製品の取扱説明書に記載されているメンテナンスの頻度や手順、注意点を確認したうえで可能な範囲でメンテナンスをしましょう。
専門知識が必要な一部のメンテナンスは業者に依頼するのがおすすめです。ただ、業者のなかには高額な費用を請求したり、不必要な修理・交換を勧めてくる悪質な業者もいます。複数の業者に見積もりをとり、サービス内容や価格を比較しながら適切に業者を選択しましょう。

