エコジョーズにデメリットはある?メリットは?給湯器交換で後悔しないためのポイントも紹介

エコジョーズとは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことができる、お財布にも地球環境にもやさしい給湯器のことです。
今回の記事では、「エコジョーズが気になるけれど、デメリットはないのだろうか?」「エコジョーズのデメリットとメリットをよく比較したい」という方のために、エコジョーズのデメリットとメリットについて、詳しく解説します。
結論を述べると、エコジョーズにデメリットはあるものの、多くのご家庭ではデメリットをメリットが上回る場合が多いです。
また、エコジョーズのデメリットについて詳しく知りたい方は、「給湯器選びで後悔したくない」という思いも持たれていると思いますので、給湯器選びで後悔しないためのポイントについても、皆さまの暮らしを支える『東急でんき&ガス サポート』が、解説していきます。

エコジョーズにデメリットが多いといわれる5つの理由

- 本体価格が非エコジョーズと比較して高額
- 故障した時の修理費用も非エコジョーズと比較して高額になることがある
- 排水管工事が必要
- 「中和器」の交換が10年に1回必要になることがある
- 周囲の金属が錆びる懸念がある
上記は、エコジョーズにデメリットが多いといわれる5つの理由です。
それぞれの理由について、以下で解説していきます。
【1】本体価格が非エコジョーズと比較して高額
エコジョーズは、非エコジョーズよりも構造が複雑で、使用されている部品の数も多いです。
そのためエコジョーズは、非エコジョーズの給湯器よりも、本体価格が高い傾向があります。
あくまで目安ですが、20号・フルオートタイプの場合は、価格差は3万円ほどです。
給湯器の号数が大きくなるほど、価格差も大きくなる傾向があります。
【2】故障した時の修理費用も非エコジョーズと比較して高額になることがある
非エコジョーズと同様に、エコジョーズも使用10年が交換の目安となり、故障のリスクが高くなっていきます。
先述したように、エコジョーズは構造が複雑なので、修理も難しい傾向があり、修理費用も非エコジョーズに比べて高くなりがちです。
【3】排水管工事が必要
エコジョーズでは、熱のリサイクル時に凝縮水(ドレン排水)が発生します。
エコジョーズを設置する際には、上記の凝縮水を排出するための排水管工事が必須です。
業者によっては、別途費用がかかります。
排水管工事の費用目安は、5,000~10,000円ほどですが、設置場所の条件によっては費用が変動するため、注意が必要です。
ちなみに、エコジョーズから排出される凝縮水は、後述する「中和器」によって、きちんと処理済みのものです。
有害な水ではありませんが、垂れ流しにすると周囲にカビやコケを発生させてしまうため、やはり排水管工事が必要です。
【4】「中和器」の交換が10年に1回必要になることがある
エコジョーズの内部には、酸性の凝縮水を中性の水にするための、「中和器」が搭載されています。
(酸性の凝縮水をそのまま流すと、人体や環境に悪影響を及ぼす可能性があります。よって、中和器による中和が必要です。)
この中和器の耐用年数の目安は「10年」とされており、10年を超えて使用すると、正常に機能しなくなることがあります。
(使用状況によっては10年を超えても問題なく機能します)
中和器の交換タイミングは、エラーコード「920(中和器寿命警告)」や「930(中和器寿命交換)」でわかります。
いずれかのエラーコードが表示されたら、専門業者に中和器の交換工事を依頼しましょう。
なお中和器の交換工事には、15,000~20,000円ほどかかります。
【5】周囲の金属が錆びる懸念がある
エコジョーズの排気温度は低いため、非エコジョーズのように、排気熱に注意する必要はありません。
しかし、燃焼時の排気は「酸性」であるため、周囲に鉄製やアルミ製の物があると、錆びたり塗装が剥がれたりするおそれがあります。
たとえば、自宅ベランダには上記のような金属の物はなかったものの、エコジョーズを設置した背面に隣家のアルミ製の柵があり、その柵を錆びさせてしまったという話があります。
エコジョーズの近くに隣家の柵・外壁や物置がある場合には、エコジョーズの排気方向を変える部品を取付けるなどの、工夫が必要です。
エコジョーズの2つのメリット

- 月々の光熱費を節約できる
- 環境にやさしい
エコジョーズにはデメリットもありますが、メリットもしっかりとあります。
それぞれのメリットについて、以下で解説していきます。
【1】月々の光熱費を節約できる
エコジョーズの最大のメリットは、その独自の仕組みによってガスの消費量を抑えて、月々の光熱費を節約できることです。
どれだけ安くなるのかは、お湯の使い方によってかなり異なるため一概には言いにくいですが、年間で数千円~10,000円ほどは節約できると見込まれています。
先ほどデメリットの項目で、エコジョーズの設置が比較的高額であることを述べましたが、光熱費の削減効果によって、これを十分補うことができます。
<POINT>エコジョーズの仕組み
エコジョーズ独自の仕組みについて、もう少し詳しく説明しておきましょう。
非エコジョーズは、使用するガスのエネルギーの内、約20%が、排気ガス・放熱で無駄になっていました。
エコジョーズは、従来捨てていた約200℃の排気ガス中の熱を、「二次熱交換機」で再利用し、給水を予熱する給湯器です。
これまでの約20%のエネルギーロスの内、約15%を二次熱交換機で回収し再利用することによって、燃費を改善し、結果的に光熱費が安くなります。
【2】環境にやさしい
エコジョーズは、熱効率を95%まで高めることで燃料消費量を抑え、年間CO2排出量を約13%削減することができる、環境にやさしい給湯器です。
エコジョーズによる1年間のCO2排出量削減効果は、「およそ10~20本分の杉の木が吸収するCO2と同等」といわれています。
エコジョーズのような高効率給湯器が、多くの家庭に普及すれば、地球環境の改善を助けることになるでしょう。
エコジョーズが向いている人・向いていない人

ここまで説明してきたエコジョーズのメリット・デメリットを踏まえて、エコジョーズの設置が向いている人・向いていない人について、解説します。
エコジョーズが向いている人
- お湯の使用量が多い人
- 2人以上で暮らしている人
- 床暖房を使っている人
- 貯湯タンクを設置するスペースがない人
上記が、エコジョーズの設置が向いている人です。
特に2人以上で暮らしていてお湯の使用量が多い家庭や、給湯器で床暖房も使用する家庭では、もともとのガスの使用量が多く、エコジョーズの光熱費の節約効果を得やすいです。
また、敷地面積や給湯器の設置条件の問題で、貯湯タンクを設置しにくい住宅でも、貯湯タンク不要のエコジョーズなら設置できます。
<POINT>非エコジョーズからエコジョーズに変える人は増えている?
非エコジョーズからエコジョーズに変える人は増えており、「給湯器のスタンダードになりつつある」といえます。
エコジョーズに変える決め手は人それぞれですが、そのうちの1つは、エコジョーズの設置に対して補助金が出ることです。
たとえば、エコジョーズに使える補助金事業として(2025年5月現在)、「住宅省エネ2025キャンペーン」があります。
「住宅省エネ2025キャンペーン」とは、“2050年カーボンニュートラル”の実現に向けて、国土交通省・経済産業省・環境省の3省が連携して行う、4つの補助金事業の総称です。
エコジョーズが向いていない人
- 1人暮らしの人
- お湯の使用量が少ない人
- 住まいがドレン排水工事に対応していない人
上記が、エコジョーズの設置が向いていないご自宅の一例です。
1人暮らしの家庭や、お湯を使う機会が少ない家庭では、もともとのガス代が安いために、エコジョーズを導入しても得られる節約効果が少ないです。
また、外部への排水経路を確保できないマンション・アパートなど、ドレン排水工事に対応していない物件に住んでいる場合は、エコジョーズが設置できないことがあります。
エコジョーズが向いていない・設置できない場合は、エコジョーズではない従来品の設置を行いましょう。
給湯器選びで後悔しないためのポイント

給湯器選びで後悔しないためにまず必要なのは、自分の家族構成・使用状況に合った号数の給湯器を選ぶことです。
給湯器の号数とは、給湯能力を数値で表したものです。
号数は都市ガス・プロパンガスを問わず、ガス給湯器全般に設定されており、家庭用の給湯器としては、16号・20号・24号が主な号数です。
号数の数字が大きいほど、お湯を作る能力が高く、たくさんのお湯を使うことができます。
- 16号がオススメの家族構成:1~2人家族
- 20号がオススメの家族構成:2~3人家族
- 24号がオススメの家族構成:4人家族以上
単純な家族の人数だけでなく、「同時に何箇所でお湯を使うのか?(冬場を基準に)」という視点で、給湯器の号数を大きくするのか・小さくするのか、そのままでいくのかを決めるとよいでしょう。
- 16号がオススメのライフスタイル:1度に複数個所でお湯を使わない
- 20号がオススメのライフスタイル:1度に複数個所でお湯を使わないが、冬でも満足した湯量がほしい
- 24号がオススメのライフスタイル:1度に2箇所程度でお湯を使う
<詳しくはコチラ>
⇒ 給湯器の号数の選び方!号数を大きくするほうがいいケースと小さくするほうがいいケース
給湯器の号数選びに続いて重要なのは、「浴室暖房乾燥機を使用したいか?」あるいは「床暖房を使用したいか?」です。これによって、給湯器の種類は絞られます。
その上で「ウルトラファインバブル機能」など、付加機能についてご検討してみてはいかがでしょうか。
「現状の給湯器がオーバースペックでないかどうか?」も気にしておきたいところです。
たとえば、現状の給湯器が「床暖房を6台繋げることができる」機種でも、実際は「3台繋げることができれば十分」という場合があります。
その場合、新しい機種はスペックを下げて、本体価格を抑えるほうがおトクです。
まとめ
<エコジョーズにデメリットがあるといわれる理由>
- 本体価格が非エコジョーズと比較して高額
- 故障した時の修理費用も非エコジョーズと比較して高額になることがある
- 排水管工事が必要
- 「中和器」の交換が10年に1回必要になることがある
- 周囲の金属が錆びる懸念がある
<エコジョーズのメリット>
- 月々の光熱費を節約できる
- 環境にやさしい
以上、エコジョーズのデメリット、そしてメリットなどについて解説しました。
考慮すべき点は確かにありますが、基本的にはメリットのほうが大きいです。
設置条件を満たしているのなら、ぜひエコジョーズの設置を前向きに検討してみましょう。
⇒ 横浜・川崎・東京などでエコジョーズを設置するなら『東急でんき&ガス サポート』にご相談ください。
